2013年5月15日水曜日

脂肪を食べると太るのは嘘?

私がリアルフードジャーニーを始めて一番衝撃的だったのは、「脂肪」に対する考え方です。

私が食べ物を気にするようになったのは大学生の頃。
80〜90年代にかけてはスーパーモデルが最盛期で、あの細くて長い手足に誰もが憧れていました。
また、「Hanako」や「Tokyo Walker」など情報誌が流行り、関東に出ていた私の周りには魅力的なレストラン情報が満載。

体重も気になるけど美味しいものも食べたい。
そうなるとやはりダイエット。
カロリーに重点を置くダイエットでは、脂肪は禁断の食べ物です。
脂肪を取るとすぐに太る、心臓に悪い、コレステロールが上がるといった情報を何年も聞かされてきた私は、つい最近まで脂肪を極力避けるようにしていました。
使うんだったらオリーブオイル。
たまにごま油。
バターやラードはもっての他。
パンにぬるのも、植物油からできていてしかもトランスファットがゼロで、コレステロールを下げるとお墨付きの「Smart Balance」等のスプレッドを使っていました。
こうして見ると、学生の頃から実に20年近くも私はファットを食べることを恐れてきたのです。

それが一気に反転したのがリアルフードのブログを見てからでした。
食べ物に気を使い始めてから、最初はベジタリアンやローフードに傾いていた私でしたが、次第にリアルフードブログが目につくようになり、伝統的な食を大切にする、という何か基本に戻ったような考え方にとても共感を覚えました。
そんな中で「えっ」と目を見張ったのが脂肪に関する概念です。

「植物油は使うのをやめましょう。火を通すときにはバターかココナッツオイルを使いましょう。
 牛脂や豚の油も積極的に使いましょう。」


というのです。
私は最初、この人たちは頭がおかしいのではないかと思いました。
飽和脂肪酸は人間の大敵のはず。
食べたら太るしコレステロールは上がるし、高カロリーなばかりで必要な栄養素が何もないはず。

ところがところが。
ブログや本を読み進めるうちに、頭がおかしいのは私の方だったのだと気づかされたのです。
ここで本を一冊ご紹介します。
私のリアルフードの教科書です。

Sally Fallon というドクターが書いた、「Nourishing Traditions」です。
この本の根拠になっているのが、Weston A. Priceというデンティストが、虫歯と食べ物の関係を調べて世界中を旅して行ったリサーチです。
この本によると、虫歯の少ない、そしてそういうところでは生活習慣病や癌も少ないところが多いのですが、こういった地域では動物の肉や脂肪、内蔵が積極的に食べられているのです。

私たちは忘れがちですが、脂肪は炭水化物、タンパク質と並ぶ三大栄養素の一つ。
実は脂肪は体にとっては必需品。
凝縮されたエネルギーであると同時に、細胞膜を構成したり、ホルモンになったり。
以前どこかで読んだのですが、腸内の粘膜に飽和脂肪酸が使われていると丈夫なのですが、長年不飽和脂肪酸ばかりを食べ、飽和脂肪酸を控えた食事をしていると粘膜が弱くなってしまうのだそうです。
また、動物性の脂肪には脂溶性のビタミンA,D,Eが豊富に含まれています。
動物脂肪に溶けているビタミンは植物からのビタミンに比べると体がとても吸収しやすいのです。

アメリカでは動物性脂肪や肉の消費を抑える食事を長年推進していますが、心臓病や肥満は毎年増える一方です。
この理由としては、まず飽和脂肪酸や食品のコレステロールが血中コレステロールレベルを上げるという理屈が違うのではないかということが挙げられます。
実はこの研究結果が発表された時には、疑問視する声も数多く上がったのですが、プロセスフードやベジタブルオイルを拡販したい大企業に利用され、都合のいい結果だけが広められたという背景があるようです。

また、現在のスーパーマーケットに売られている肉は、遺伝子組み換えされた大豆を主に食べ、一生日の光を見ることもできないような劣悪な環境で育った牛や豚の肉です。ただ太り、大きくなるためだけに生まれ、ホルモン投与されてできた肉、またそうした家畜からとれたミルクやバターは100年前に食べられていたものとは大きく異なるのです。

本来の家畜の性質を尊重し、外で草や虫を自由に食べて育った牛のミルクやバターには、ビタミン類が非常に豊富です。
近年ビタミンDの摂取量が低い人が多いようですが、私もその中の一人です。
2年ほど前に血液検査をした時に、ビタミンDがかなり低いのでサプリメントを摂るようにと医者から指示を受けました。
ビタミンDは日光を浴びることで体が生成しますが、日焼けを嫌がって日焼け止めを塗ったり外出を控えたりという行為が低ビタミンDレベルに拍車をかけているようです。
アメリカでは牛乳や豆乳等には必ずと言っていいほどビタミンDが添加されていますが、それを飲んでいても低いということは、添加されたビタミンDは毒にこそなれ、体には吸収されていないのが現状ではないでしょうか。

その点、動物の脂肪に溶け込んだ脂溶性のビタミンは体が吸収しやすい形になっています。
ビタミンDは骨や歯を形成するのに使われるだけでなく、また免疫システムにも必要不可欠です。
虫歯でさえも、適切な食事とビタミンDや他の栄養素の強化で覆すことができるようです(リソースはここ。)


以来私はファットを恐れることはなくなりました。
パンにはたっぷりとgrass-fed cow(牧草を食べて育った牛)のミルクからできたバターをつけています。
以前はもってのほかだったベーコンも、週に数回食卓にのぼるようになりました。
ベーコンから出た油も保存して、炒め物の時に使います。

結果的に私たち家族は太ったでしょうか?
飽和脂肪酸をふんだんに取り込んだ生活を始めてもう何ヶ月も経ちますが、別にジーンズがきつくなったり、
顔がまるくなったということは全くありません。
体がだるいと感じるわけでもなく、かといって、以前に比べてすごく調子が良いということもありません。
今は必死になって、20年間カットしてきた栄養を体に戻しているといったところでしょうか。

あるリアルフードブログで、家族4人で40パウンド(18kg)のバターを3ヶ月で食べたという記事を読みました。
私たちはそこまで極端なことはしませんが、本物のバターはおいしいです。
もっと早く子供達にも食べさせてあげればよかったと思う今日この頃です。

参考
Weston A. Price Foundation

キャノーラ油について

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