2013年5月28日火曜日

Hurom ジューサーのレビューはどう?

Hurom のスロージューサーを使い始めて3週間ほど経ちます。
相変わらず毎日2〜3回活躍している優れものなのですが、
昨晩日本のアマゾンでこのジューサーのレビューを見ていて厳しいものが多かったのにはびっくりしました。
私はこんなにいいジューサーが買えてすごくハッピーなのに、人それぞれ受け止め方が違うんだなとつくづく思いました。

が、おや?と思うものもあったので、今日はこのスロージューサーを使う時のコツについて。
(別に私はHuromのセールスではありませんのであしからず。)

まず、このジューサー、確かに葉もの野菜が苦手なようです。
最初にジュースを作ってくれた友人もそう言っていました。
葉ものを入れると繊維がジュースに入りやすく、またジューサーも詰まりやすいようです。
人参やリンゴを入れるとバリバリと勢いのいい音とともにジュースが出てくるのですが、
ケールやキャベツ等を入れるとなかなか繊維が出てきません。
また、セロリのように縦に長い繊維も出てくる時につまってしまうことがしばしば。
あまり無理をしてぎゅーぎゅー入れると、下からジュースが漏れるなんてことも。

野菜ジュースを作るには致命的な欠陥のように思われますが、実は簡単なステップでこの問題をクリアーできるのです。
それは、野菜を切る。
葉ものは大きいまま突っ込むのではなく、5cm角ぐらいにバサバサと切ってからいれる。
セロリも短く切る。
次のポイントは、
人参やリンゴと葉ものを交互に入れる。
葉ものだけ入れるとパルプがなかなか出てこないのですが、人参やリンゴを入れると途端にパルプが押し出されてニョキニョキと出てくるのです。
パルプを出してしまえば詰まることもなし。

日本ではこのジューサー何種類か出ているようですが、私がアメリカで購入したのは、HU-100というモデルです。
Costcoで通常より安く売っていたくらいなので、新しいタイプではないと思います。
私は日に3回使うのでヘビーユーザーだと思いますが、今のところ不調はありません。

先日オンラインでグリーンジュースの5つのベネフィット
という記事を見つけました。
このトップに、「栄養が素早く吸収される」
とあります。
普通に食べたりスムージーとして飲んだりすると、体がまず繊維と栄養素を分けないといけないのですが、
ジュースはジューサーが既に繊維を取り除いてくれているので、20分で吸収されるそうです。
消化力が弱い私にはピッタリ。

先日それを証明するようなことがありました。
レッドビーツをジュースにした翌日です。
普段はレッドビーツを食べると翌朝尿や便が赤くなったりしてびっくりするのですが、その日は赤い色は全く見られませんでした。
やっぱり全て分解吸収されているんだなと実感。
しばらくジューサーが重宝しそうです。

2013年5月23日木曜日

スーパーのオレンジジュースは本当にオレンジジュース?

最近アメリカのスーパーで売っているオレンジジュース。
「not from concentrate(濃縮果汁からではない)」
と書かれたものが酸味がなくてとてもおいしいと思っていました。
さすが搾りたての果汁!本物のジュースは一味違う!
お値段も濃縮果汁から作られたものに比べると倍ぐらいしますが、飲みやすさのせいか、かなり人気なようで、種類も増えています。
私は個人的に「pulp(果肉)」の入ったものが好きでした。
果肉が入っていると、オレンジ全体を食べたようなベネフィットが得られるような気がし、またつぶつぶな感覚も楽しめ一石二鳥。

これが一変したのが自分でオレンジジュースを作ってからです。
先日購入したスロージューサーを使って、オレンジのみでジュースを作ってみると。。。

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スーパーで買った搾りたて(のはず)のジュースとは全く味が違う!
どんなに甘くておいしいのかと思ったら、私の買ったオレンジに少し酸味があったらしく、想像していた甘いオレンジジュースではないのです。
しかも市販品より濃くてトロンとしています。
混入したパルプもつぶつぶではなく、半分解けたようなドロリとした感じで、
全体的にちょっと期待外れでした。

そこで気づいたのです。
オレンジがユニバーサルに甘いはずはない。
例えば同じ果樹園で育っていても、時期や木や、いろいろなことが関係して、年中同じ甘さのオレンジが取れるはずがないのです。

私がジュース用に買うオレンジは「juicing orange」と呼ばれるものです。
普通に食べるオレンジは大きく皮も厚いので実がはがれやすく、甘みが強いのですが、ジュース用のオレンジは小振りで皮も薄く、味も多少酸っぱいものが多いのですが、何と言っても安い。ファーマーズマーケットで10パウンド(4.5kg)が5ドルぐらいで売っています。

スーパーで売っているジュースも、このjuicing orange から作られているに違いありません。
ではなんでこんなに甘く、どのボトルも同じ味がするのか?

今日はこの記事を紹介します。
実はストレート果汁として売っているオレンジジュースは、単純にストレートではないのです。
まず、酸化を防ぎ長期保存を可能にするために、果汁から酸素を抜くのだそうです。
そうすると、オレンジジュースとは似ても似つかない味に変わってしまうのだとか。
これをまたオレンジジュースのようにするために、フレーバーを入れます。
このフレーバーがオレンジジュースの副産物ということで原材料に表示されていないようなのですが、実はかなりオレンジから変えられてしまっているようなのです。
このフレーバーを調節するのは、香水を作るのと一緒。専門の人がそのメーカーや、その国の好みに合わせて調合するのだとか。

なんとまぁ。
今まで搾りたてと信じて高いお金を出して買っていたオレンジジュースが実は作られた味だったとは。
考えてみればおかしな話です。
アメリカ国内に同じジュースが何千何万本出回っていることか。
しかも年がら年中オレンジが取れる訳でもないでしょうから、長期保存する必要がある訳です。


友人が毎日しぼったジュースを飲んでいたら肌がツルツルに変わったと喜んでいました。
家でしぼったジュース、実際は市販品よりもビタミンCも多いのでしょう。
スロージューサーを使ったり、搾り機で搾ったらエンザイムも効果的にとれるはずです。
ちなみに写真のオレンジジュースはピントサイズぐらい(2カップ=500cc)の空き瓶に入っていますが、
あの量を作るのに、オレンジ4〜5個使います。
一人半カップぐらいを毎朝飲んでいますが、栄養的には市販品の何倍もあるのでは。。と都合の良い方に想像してます。

自分で作るということは何かと時間と手間がかかりますが、オレンジが手に入る限り、頑張って本物のオレンジジュースを作ってみようと思います。




2013年5月15日水曜日

脂肪を食べると太るのは嘘?

私がリアルフードジャーニーを始めて一番衝撃的だったのは、「脂肪」に対する考え方です。

私が食べ物を気にするようになったのは大学生の頃。
80〜90年代にかけてはスーパーモデルが最盛期で、あの細くて長い手足に誰もが憧れていました。
また、「Hanako」や「Tokyo Walker」など情報誌が流行り、関東に出ていた私の周りには魅力的なレストラン情報が満載。

体重も気になるけど美味しいものも食べたい。
そうなるとやはりダイエット。
カロリーに重点を置くダイエットでは、脂肪は禁断の食べ物です。
脂肪を取るとすぐに太る、心臓に悪い、コレステロールが上がるといった情報を何年も聞かされてきた私は、つい最近まで脂肪を極力避けるようにしていました。
使うんだったらオリーブオイル。
たまにごま油。
バターやラードはもっての他。
パンにぬるのも、植物油からできていてしかもトランスファットがゼロで、コレステロールを下げるとお墨付きの「Smart Balance」等のスプレッドを使っていました。
こうして見ると、学生の頃から実に20年近くも私はファットを食べることを恐れてきたのです。

それが一気に反転したのがリアルフードのブログを見てからでした。
食べ物に気を使い始めてから、最初はベジタリアンやローフードに傾いていた私でしたが、次第にリアルフードブログが目につくようになり、伝統的な食を大切にする、という何か基本に戻ったような考え方にとても共感を覚えました。
そんな中で「えっ」と目を見張ったのが脂肪に関する概念です。

「植物油は使うのをやめましょう。火を通すときにはバターかココナッツオイルを使いましょう。
 牛脂や豚の油も積極的に使いましょう。」


というのです。
私は最初、この人たちは頭がおかしいのではないかと思いました。
飽和脂肪酸は人間の大敵のはず。
食べたら太るしコレステロールは上がるし、高カロリーなばかりで必要な栄養素が何もないはず。

ところがところが。
ブログや本を読み進めるうちに、頭がおかしいのは私の方だったのだと気づかされたのです。
ここで本を一冊ご紹介します。
私のリアルフードの教科書です。

Sally Fallon というドクターが書いた、「Nourishing Traditions」です。
この本の根拠になっているのが、Weston A. Priceというデンティストが、虫歯と食べ物の関係を調べて世界中を旅して行ったリサーチです。
この本によると、虫歯の少ない、そしてそういうところでは生活習慣病や癌も少ないところが多いのですが、こういった地域では動物の肉や脂肪、内蔵が積極的に食べられているのです。

私たちは忘れがちですが、脂肪は炭水化物、タンパク質と並ぶ三大栄養素の一つ。
実は脂肪は体にとっては必需品。
凝縮されたエネルギーであると同時に、細胞膜を構成したり、ホルモンになったり。
以前どこかで読んだのですが、腸内の粘膜に飽和脂肪酸が使われていると丈夫なのですが、長年不飽和脂肪酸ばかりを食べ、飽和脂肪酸を控えた食事をしていると粘膜が弱くなってしまうのだそうです。
また、動物性の脂肪には脂溶性のビタミンA,D,Eが豊富に含まれています。
動物脂肪に溶けているビタミンは植物からのビタミンに比べると体がとても吸収しやすいのです。

アメリカでは動物性脂肪や肉の消費を抑える食事を長年推進していますが、心臓病や肥満は毎年増える一方です。
この理由としては、まず飽和脂肪酸や食品のコレステロールが血中コレステロールレベルを上げるという理屈が違うのではないかということが挙げられます。
実はこの研究結果が発表された時には、疑問視する声も数多く上がったのですが、プロセスフードやベジタブルオイルを拡販したい大企業に利用され、都合のいい結果だけが広められたという背景があるようです。

また、現在のスーパーマーケットに売られている肉は、遺伝子組み換えされた大豆を主に食べ、一生日の光を見ることもできないような劣悪な環境で育った牛や豚の肉です。ただ太り、大きくなるためだけに生まれ、ホルモン投与されてできた肉、またそうした家畜からとれたミルクやバターは100年前に食べられていたものとは大きく異なるのです。

本来の家畜の性質を尊重し、外で草や虫を自由に食べて育った牛のミルクやバターには、ビタミン類が非常に豊富です。
近年ビタミンDの摂取量が低い人が多いようですが、私もその中の一人です。
2年ほど前に血液検査をした時に、ビタミンDがかなり低いのでサプリメントを摂るようにと医者から指示を受けました。
ビタミンDは日光を浴びることで体が生成しますが、日焼けを嫌がって日焼け止めを塗ったり外出を控えたりという行為が低ビタミンDレベルに拍車をかけているようです。
アメリカでは牛乳や豆乳等には必ずと言っていいほどビタミンDが添加されていますが、それを飲んでいても低いということは、添加されたビタミンDは毒にこそなれ、体には吸収されていないのが現状ではないでしょうか。

その点、動物の脂肪に溶け込んだ脂溶性のビタミンは体が吸収しやすい形になっています。
ビタミンDは骨や歯を形成するのに使われるだけでなく、また免疫システムにも必要不可欠です。
虫歯でさえも、適切な食事とビタミンDや他の栄養素の強化で覆すことができるようです(リソースはここ。)


以来私はファットを恐れることはなくなりました。
パンにはたっぷりとgrass-fed cow(牧草を食べて育った牛)のミルクからできたバターをつけています。
以前はもってのほかだったベーコンも、週に数回食卓にのぼるようになりました。
ベーコンから出た油も保存して、炒め物の時に使います。

結果的に私たち家族は太ったでしょうか?
飽和脂肪酸をふんだんに取り込んだ生活を始めてもう何ヶ月も経ちますが、別にジーンズがきつくなったり、
顔がまるくなったということは全くありません。
体がだるいと感じるわけでもなく、かといって、以前に比べてすごく調子が良いということもありません。
今は必死になって、20年間カットしてきた栄養を体に戻しているといったところでしょうか。

あるリアルフードブログで、家族4人で40パウンド(18kg)のバターを3ヶ月で食べたという記事を読みました。
私たちはそこまで極端なことはしませんが、本物のバターはおいしいです。
もっと早く子供達にも食べさせてあげればよかったと思う今日この頃です。

参考
Weston A. Price Foundation

キャノーラ油について

2013年5月11日土曜日

ジューサー使ってみました

Happy Mother's Day!

ということで、最近気になっていたジューサーを買ってもらいました。
実は購入したのはマザーズデーよりも1週間早い週末です。
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アメリカではしばらく前からジュースが流行っていて、ジュースクレンズやら30日ジュースチャレンジというような言葉がチラホラ目につきます。
そんな中、私がジューサーのことを考え始めたのはごく最近です。
カリフォルニアでは先月あたりから夏日がちらほらと出始め、そんな時にごくごく飲めたらなぁと。
うちにはバイタミックスというパワフルなミキサーがあって、(詳しくはこちらを参照)今まではそれを使っていました。
バイタミックスは野菜やフルーツを丸ごと入れると、高速で撹拌して何でも液体化してしまいます。
繊維を無駄にせずに飲めるのが最大の魅力なのですが。
ただ、繊維が入るのでやはりごくごく飲めるものではないのです。
どちらかというとスムージータイプのような重めのドリンク。
又、食べ物を高速ミキサーにあまり長くかけていると、酵素やビタミンも壊れてしまいます。
せっかくオーガニックの生の野菜や果物を使うのだから、マックスの栄養を搾り取りたいです。
また、繊維が入ったジュースは、ないジュースに比べたらもちろん消化にも時間がかかります。
私のように胃腸の調子がよくない人は特にジューサーから得られるベネフィットが大きいのではと思いました。

今Costcoのオンラインでジューサーがいくつか出ているのですが、その中のHuromというメーカーのものをお友達が何人か使用していてとてもいいというので、いつかオーダーしたいなと思っていました。
低速回転で栄養を壊さないようになっていますが、一人のお友達が以前は別メーカーのジューサーを使っていたけれど、出てくるジュースの量がHurom製の方がものすごく多いのだそうです。
値段も同様のジューサーと比べるとかなりお得。

一度りんごとキャロットのジュースを作ってもらったのですが、やっぱりできたては美味しい!
すっと喉を通り過ぎていきます。
残ったパルプの量がまたすごい。こんなにたくさんのフルーツやベジタブルを普通に食べようと思ってもなかなかできません。

マザーズデーぐらいになったらオーダーしようと思っていたら、お友達が今Costcoのストアにあるよと教えてくれました。
早速翌週末に行ってみたのですが、売り切れ。やっぱりオンラインオーダーしかないかなと諦めていたところに、先週また同じお友達から連絡があり、今どこどこのストアにあって、オンラインより50ドルほど安いとのこと。
速攻で行ってゲットしてきました。
そして使うこと早一週間。
買ったばかりということもあって、毎日2度は活躍しています。

ケール、香菜、人参、しょうが等、あるもの何でも適当に入れます。野菜だけでは飲みづらいので、甘みにリンゴ等のフルーツを忘れずに。
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上から野菜を入れると、ジュースとパルプが別々に出てきます。
人参のようにちょっと固めの野菜を入れると、クッキーモンスターのようバリバリと音がします。
中で大きなスクリューのようなものが回転していて、それが野菜をクラッシュします。


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だんだんジュースがたまってきました。

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りんごのような水分を多く含んだ野菜を入れるとジュースがたくさん出てきます。
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高速ミキサーに比べると作るのに多少時間がかかりますが、味は抜群。
作り置きしておくとどんどんビタミンが酸化していったり酵素が壊れてしまうので、なるべく早く飲むのがよいようです。
72時間は栄養が保てるといくつかのサイトで見ましたが、時間と共にある程度酸化していくのは避けられないでしょう。

本日はまた真夏日。外は30度ぐらいありそうです。
午後3時の時点で3回目のジューサー稼働になりました。
朝ファーマーズマーケットで買ったレッドビーツを入れて、赤いジュースをごくり。
うまい〜。

私が気に入ってるのは、二十日大根やビーツの葉っぱ等、普段は使わないようなものもポンポンと入れてジュースを搾り取れるところです。
パセリの下の方の茎なんかも、切って取っておいてまとめて入れます。
便利便利。
出てきたパルプをコンポストにしたいところですが、うちのあたりは動物がでるのでもったいないな〜と思いながら捨てています。
たまにカレーの時に混ぜたり、スープストックを取る時にフレーバーで入れたりしてなんとか無駄を防ごうと四苦八苦。

これから夏の暑い日が続く中、ジュースで食事を済ませる日も出てきそうな予感。
しばらく活躍しそうです。

2013年5月10日金曜日

今日のパン

本日焼いたパン。

酵母100g
粉400g
水270cc
塩7g
ぐらい

キッチンエイドの中で3〜4分捏ね、冷蔵庫で寝かせること丸3日。
冷蔵庫から出した時には膨らみ過ぎて空気が抜け、生地が沈みかけていましたが、2次発酵はうまくいきました。
浅くて小さいホーロー鍋に無理矢理入れてみました。
450Fのオーブンで焼くこと30分。
焼き色がつくのに時間がかかりました。

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クロースアップビュー。
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ちょっと上が焦げてしまいました。
前回のパンの記事で書いたように、サワードーブレッドは、冷蔵庫で長く発酵させるとグルテンがバクテリアにより消化されるので、私たちが食べた時に消化しやすくなります。
以前インターネットで読んだ記憶があるのですが、低温で長期間発酵させたサワードーは、体が炭水化物ではなく、ベジタブルと認識して消化するそうです。
それだけ消化しやすい形になっているということでしょう。
1週間ぐらい発酵させてみたいのですが、冷蔵庫にスペースが取れないのが悲しいです。

パンを焼く時のtip。切り目にバターをのせるとパカっときれいに開きます。

2013年5月7日火曜日

天然酵母パンの秘密

「リアルフード」という言葉を聞いたことがありますか?
文字通り「本物の食べ物」という意味です。
日本ではあまり必要のない言葉かもしれませんが、アメリカではリアルフードを探すのはちょっとした努力が必要です。

アメリカのスーパーは日本に比べるとかなり巨大です。
初めて訪れた時は、その大きさと種類の豊富さにただただ圧倒されました。
で、何が場所を占めているのかというと、ほとんどは加工食品なのです。
冷凍庫にはレンジで数分温めるだけの、「TVディナー」がずらりと。
ピザはもちろん、朝食用のワッフルまで。
スナック売り場では、大きなバッグのチップスが所狭しと並んでいます。
シリアルの数も半端ではありません。

加工食品には、添加物はもちろんのこと、遺伝子組み換えされた原材料が使われています。
アメリカでは遺伝子組み換えの表示義務がありません。
国内に出回っている大豆やコーンのほとんどが遺伝子組み換え品だと言われています。
そして、このコーンや大豆は驚くほど多くの加工食品に使われています。
家畜の飼料は今ではほとんどが大豆ベース。
スーパーで買うお肉は牛にしろ豚にしろチキンにしろ、皆遺伝子組み換えされた大豆を食べて育てられたものです。
コーンが材料になるコーンシロップ(ハイフルクトースコーンシロップも含めて)も、スーパーで売っている甘いお菓子やソーダ、シリアル等に使われています。

こうした中で、昔から食卓に並んでいた食べ物を探すとなると、オーガニックフードに頼るしかありません。
遺伝子組み換え食品が材料に含まれているとオーガニックと認定されないからです。

と、前置きはこのくらいにして、今日はパンの話題です。
最近小麦に含まれているグルテンがかなり悪者扱いされています。
スーパーでも「グルテンフリー」と表示された食品が一昔前に比べるとかなり頻繁に目にするようになりました。
オンラインでも、グルテンを食べないようにしているという書き込みがたくさんあります。
なぜこんなにグルテンが敵視されているのでしょうか?

グルテンは牛乳に含まれるカゼインと並んで、実はとても消化しづらいタンパク質なのです。
昔から小麦アレルギーがありましたが、最近ではその数も急増しているそうです。
この背景には、近年の小麦はグルテンが強化されているということがあげられます。
パンを作る時、グルテンが多く含まれる粉を使って練ったりたたいたりしてグルテンを発達させると柔らかいフカフカのパンになりますよね。
食パンなどのボリュームを出したり、柔らかくしたいパンには、グルテンが多めの強力粉を使います。
逆に、日本産の小麦は外国産の小麦に比べるとグルテンが少ないので、うどんや、あんぱん等の、ボリュームを押さえたものに使われます。

さて、最近アメリカでは、肥満や生活習慣病の原因は実は今まで言われてきた脂肪やコレステロールではなく、炭水化物の取り過ぎがよくないのではという見方が増えています。
アメリカで炭水化物といったら、ほとんどが小麦です。パンもパスタもシリアルも、グルテンが含まれています。

健康な人だったらグルテンも問題なく消化できるのですが、加工食品がスーパーの大部分を占めるこの国にとって、実は消化器官が正常に機能していると言う人がどのくらいいるのでしょうか。

アレルギーをはじめとする疾患は、消化器官の炎症や腸内バクテリアのバランスが崩れて未消化の食物が体内に残ることから起こるという見解があります。
人の体内には体を構成する細胞以上のバクテリアが存在しています。
食品添加物、加工食品や遺伝子組み換え食品は、従来から人が食べ、消化してきたものとは違います。そうすると、体はうまく消化することができず、徐々に腸内が荒れていきます。
胃腸が荒れ、腸内バクテリアのバランスが崩れ、悪玉菌が増えてくると、さらに消化環境が悪くなります。
そうするとちょっと複雑なものが消化できなくなる。アレルギーの多い牛乳や大豆も実は消化しづらい食品のトップリストなのです。

こうして長年に渡る食生活でダメージを受けてしまった腸内環境を改善しようとしている人たちが探し求めているのが先に挙げた「リアルフード」です。
今からお話するサワードー(サワー種のパン)も、スーパーでイーストが売られる前には普通に作られていた伝統的なパンなのです。

子供達のスイムチームでは年に数回パーティーがあります。
パーティーと言っても、親が食べ物を持ち寄って、練習の後にそれを食べるだけなのですが、
あるパーティーの時、13歳ぐらいの女の子がピザやサンドイッチがあるにもかかわらず、フルーツだけを取って食べていました。彼女のお母さんが、
「うちの子はグルテンを食べないの」
と言っていたのでどうしてか尋ねると、お嬢さんが一時期原因不明の体調不良で、ベッドから起き上がれないくらいだったというのです。医者に行っても原因もわからず、何をしてもぼーっとしてしまって、しばらく学校にも行けなかったと。きっかけは聞きませんでしたが、グルテンを食べるのをやめたら急によくなったので以来グルテンは食べていないのだそうです。お嬢さんも食べたがる様子もなかったのでよほどつらい思いをしたのでしょう。

そういう話を実際に聞くと、グルテンってよくないのかなと思ってしまいます。
私はグルテンに敏感な訳ではありませんが、去年あたりから胃腸の調子が悪く、頻繁に下腹部が痛くなるようになりました。
食事前にエンザイムを飲むと痛まないのですが、外食したり、友人宅で食べたりすると十中八九痛くなります。やはり腸内環境がよくないのだなと思い、それも食べものに気をつけるきっかけとなりました。

何はともあれ、グルテン、どうしようかなと思っている時に、発酵食品を推進しているドナさんのサイトでこんな記事を見つけたのです。リソースはここ。

これによると、冷蔵庫で長時間発酵させたサワードーブレッドはグルテンにアレルギーのある人でも食べられるというのです。
善玉菌が長時間の発酵過程でグルテンを消化してくれるらしいのです。
何と!!
最近消化のことを考えて、オーガニックや発芽パンを買っていたので、コストも馬鹿にならないし、だったら作ってみようか。ということで種おこしから始めました。
純粋なサワー種とは違いますが、昔作ったことのあるレーズンから種を起こします。

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レーズンをかぶる程度の水につけて数日置いておくと、レーズンについた菌が発酵を初めて泡を出します。

泡が収まってきたらレーズンを漉して、このレーズン液に全粒粉を混ぜ、倍に膨らんだらまた粉を足す。
これを三回繰り返したら天然酵母の出来上がり。
パンを膨らませるのに十分な菌が繁殖しているはずです。

天然酵母の作り方はオンラインでたくさん載っているので参考にしてください。

この酵母120gに粉300g、水180cc、塩5gで焼いたパンがこれ。
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粉は全粒粉と白い粉を半々にしました。
これでは発酵はせいぜい1日が限界。冷蔵庫でも二日で生地が膨らんでしまいます。
LAに昔からあるベーカリーによると、よく捏ねて、何日も冷蔵庫で低温発酵させたサワードーブレッドはグルテンアレルギーの人が食べても問題ないとのこと。
何日も冷蔵庫で発酵させるには、もう少し酵母を減らして粉や水の量を増やさないといけませんね。
ということで今そちらは試行錯誤中です。

最近はなぜかパンを食べる量が減ったので作る量も減りましたが、一時期は毎日、多いときには一日2度も焼いていました。
焼いたパンとファーマーズマーケットで買った卵で卵サンドを作った時の写真。
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ここのファームはフリーレンジのオーガニックチキンを育てています。
フリーレンジというのは、狭い室内に閉じ込められているのではなく、外に自由に出入りしてそこで虫をつっついたり本来の鳥がする活動ができる環境ということです。
卵の大きさや色が違い、割ると黄身の大きさや色もそれぞれ違うのが自然っぽくて気に入りました。
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何の変哲もないエッグサンドイッチですが、エンザイムなしで食べてもお腹が痛くなる心配はありません。
自家製天然酵母パンは、お財布にもやさしいです。
お店でオーガニックの天然酵母を買うと、安くても半ローフで3ドル。
オーガニックの食パンや発芽小麦を使ったパンは一斤4ドルはします。
家で作ると、オーガニックの小麦粉は5ドルほど。これで約1ヶ月はもちます。

リアルフードは準備に時間がかかりますが、便利さばかりを求めて加工食品や冷凍食品に走った過去を反省して、多少時間がかかってもなるべく手作りを心がけている今日この頃です。