今から10年以上前、私がアメリカに来て間もないころ、ココナッツは心臓病の大敵でした。
Low fat diet が主流だった当時は、脂肪というだけでも目のカタキにされていたのに、ココナッツオイルの主成分が飽和脂肪酸とあっては、ちょっと口にしただけでコレステロールがガーンと上がり、心臓発作をおこすような印象がありました。
もともと私はココナッツへの馴染みが薄く、学生時代に旅行したドイツの屋台でココナッツの実にストローを挿したドリンクを試して気持ち悪くなって以来、わざわざ買ってみようなどとは夢にも思っていませんでした。
ところがところが。
去年の夏頃から、お店でココナッツウォーターを見かけるようになりました。
Costcoで試飲が始まり、Trader Joes'でもいくつかのサイズが棚に並び始め、それを手に取る人々。こうなると嫌でも目に付きます。Costco に入荷された時点で巷ではかなり知名度が高かったに違いありません。
そして更に目に入ったものが、Trader Joes' のココナッツオイル。
一体飽和脂肪酸の塊が何で今更新商品として出ているんだろう?
これは何かあるに違いない。
と、早速家に戻ってgoogle してみました。
まず、最も注目するべきココナッツオイルの特徴は、豊富な「laulic acid」の存在です。この脂肪酸は、ウイルスやバクテリア等の病原菌と戦ってくれる性質があり、母乳に含まれていることで知られています。赤ちゃんがお母さんの母乳を飲んでいると風邪をひきにくいというのは、このlaulic acidのおかげですね。私のお友達は、子供がものもらいにかかった時に母乳をかけて治したそうです。まさに自然の薬!
今はインフルエンザの季節。ココナッツオイルを積極的に取り入れて予防しなければ。
で、このlauric acid、食べるだけでなく、実は肌にも効果があるのです。
私は最近になって大人にきびに数ヶ月間悩まされていました。
前から吹き出物が出やすかったのですが、今回はbreak outです。
まるでティーンエージャーに戻ったように、おでこに花が咲き、口の周りにもできる始末。
この年になってのにきびなので、ホルモンのアンバランスかと思い、いろいろ試してみましたが、一向に改善の兆が見られませんでした。
そんな中、ココナッツオイルのリサーチ中に偶然ココナッツオイルがにきびに効くという記事を見つけたのです。
にきびは脂肪にバクテリアが繁殖して悪化しますが、このlauric acidのおかげでバクテリアが減少し、にきび改善に効果があるというのです。
ココナッツオイルを顔にぬるというのは最初はさすがに抵抗がありました。ココナッツオイルといっても冬の間近なカリフォルニアでは白い固形の脂肪のかたまり。これを手のひらで温めて伸ばしてから顔につける。うーん、なんだかラードをつけているような感触。しかし、ココナッツの甘いほのかな香りが心地よく、体にいいものをつけているという自信と安心感が生まれました。
そして翌日、確かににきび全体が少しおとなしくなったような。これはこれは!と、調子に乗ってその日の朝も洗顔の後に保湿クリームの代わりにココナッツオイルを使用。そんなこんなを繰り返していると、確かににきびが減ってきました。こちらが消えても次から次へと新しいにきびができるので、クリアーにはなりませんでしたが、できても格段に小さく、目立たなくなりました。
以来、私はずっとココナッツオイルを保湿クリームとして使っています。市販のクリームは体の毒になるものが多く含まれているし、かといって無添加は高い。その点ココナッツオイルは正真正銘オールナチュラルでお値段もお手ごろ!
太平洋の島々ではココナッツオイルを体全体にぬったり、料理にもふんだんに使っているそうです。
そうしてそんな彼らはいたって健康。心臓病や癌はほとんど見られないそうです。
そうそう、ぱさつく髪の毛にも効果抜群です。
是非試してみてください。
次に、脂肪を摂取して太るのが嫌、コレステロールが心配という人に朗報。
ベジタブルオイルの多くが長鎖脂肪酸であるのに対し、ココナッツオイルの主成分である脂肪酸は中鎖脂肪酸です。
長い鎖の脂肪酸が体に脂肪として残りやすいのに対して、中鎖脂肪酸は即効エネルギーとして燃焼されやすいという特徴があります。実際にココナッツオイルでダイエットに成功したり、また糖尿病の回復にも効果があるという報告もあるようです。
このほかにも、コレステロールを下げる、アルツハイマー病防止になる等、リサーチしているといろいろなベネフィットが見つかります。
私が使っているのはojioというブランドの100% organic coconut oil.
他のものも試したのですが、ここのココナッツの甘い香りに魅せられてリピしています。
多くのココナッツオイルが乾燥ココナッツから大量生産されるのに対し、ojioのココナッツオイルは生のココナッツから遠心分離機を使用して作られているそうです。
乾燥ココナッツを使用しているものの中には、ケミカルの含まれた溶液にココナッツを漬けて、オイル成分を抽出しやすくしているものもあるとのこと。買うときは要注意ですね。
大抵の場合、こういったプロセスは値段に反映されているので、私はあまりにも安いココナッツオイルは避けるようにしています。
そして昨日到着したのが、Tropical Traditions のGold Label Virgin Coconut Oil.
これは通販のみというのと、お値段がお高めというのがあって今までためらっていたのですが、先週32oz(960ml)ジャーがbuy one get one freeだったので、思い切って注文してみました。$40プラスシッピング$7.99で一本あたり24ドル。まずまずのお値段。
こちらのオイルは、ココナッツを収穫後、ココナッツミートを同じココナッツから取れたココナッツウォーターと一緒にしてココナッツミルクを作り、それを半日ほど寝かせると、成分の抜けた軽いココナッツミートが一番上に、水が一番下に、そしてその間にココナッツオイルという具合に自然と分離します。この後一度短時間加熱させることで水分を飛ばし、抗酸化作用を上げるのだそうです。
これは、フィリピンで昔から使用されていたオイルの製造方法で、他の方法に比べると格段に手間隙がかかるそうなのですが、ラボのテストでも抗酸化成分の高さが証明されているようです。
ココナッツミートだけでなく、ココナッツウォーターまで使うというのも注目すべきポイントですね。ココナッツの良い成分が凝縮していそうです。
使い心地ですが、Ojioのオイルがココナッツのイメージ通りの甘い香りなのと比べ、Gold Labelの方は、それプラスちょっとした酸味のような、発酵したような香りが加わります。どちらも口に入れると途端にとろけて抜群の食感!
今ではうちではパスタ以外の炒め物の時はココナッツオイルを使います。飽和脂肪酸は性質が安定していて、熱にとても強い油です。常温では2~3年は酸化ぜずに保存可能なほど。
娘のお気に入りは朝のスクランブルエッグの時のほのかなココナッツの香り。
あと、ガーリックとターメリックで炒めたライスも絶品です。
前は冷凍したご飯を電子レンジでチンしていたのですが、レンジの使用を控えようと始めたこのガーリックライス。
ターメリックの有効成分も摂れて一石二鳥。
一昔前の悪いうわさとは打って変わり、いいこと尽くめのココナッツオイル。
みなさんも是非是非活用してください。
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