もみ殻、ぬか、胚芽を取り除くことを言います。
残った胚乳が、白米です。
こうすると、長期保存が可能になります。
学生の頃、玄米神話を信じて玄米を食べていた私。
ある時ふと玄米の入った入れ物を見たら、
目に見えるか見えないかくらいの小さな虫がたくさん。
わっ!
日本の湿気のある気候では、食べ物に虫がつきやすい。
白米や薄力粉に虫がつくこともありますが、
胚芽、ぬかがついた玄米は虫の好物。
どんなに密閉しても、卵が一つ入っていたらおしまい。
高い玄米、無駄になりました。
また、胚芽の中には脂肪が含まれています。
この脂肪は不飽和脂肪酸で、とても酸化しやすいものです。
胚芽がついていると長期保存に向かないのはこのためでもあります。
次に、精製することで栄養面に大きなベネフィットがあります。
玄米のぬかには「phytic acid(フィチン酸)」が含まれています。
このフィチン酸、実はカルシウム、鉄、リン等のミネラルと結合して
「Phytates(フィチン酸塩)」を作り体外に排出してしまいます。
英語では、このフィチン酸のことを、「anti nutrients」と呼ぶこともあります。
フィチン酸は、食べ物を消化するのに必要なエンザイムも結合してしまいます。
このように、フィチン酸が多く含まれたものを食べると
他の食べ物の栄養素も結合して排出されてしまいます。
短期間で見た場合、玄米を食べると咀嚼回数も増え、
繊維も多いので体調が良くなったり体重が減ったりすることがありますが、
ロングタームでの玄米の多食はミネラル不足につながる可能性があります。
白米は無意味な食べ物ではありません。
炭水化物は脳が最も必要とする栄養素です。
フィチン酸は、玄米以外のホールグレインや、
豆、ナッツ、シードに多く含まれています。
それは、自然のサバイバルのスキルです。
お米や種が発芽する時に使うための栄養をそれまでキープするのです。
鳥が種を食べても消化せずに出てくるのは、
繊維やフィチン酸で種が守られているからです。
ですから、発芽状態にすると栄養素がアンロックされます。
この方法は特に豆類に効果的です。
少し発芽させると、フィチン酸を中和する「phytaseフィターゼ)」という酵素がアクティブになります。
ただ、玄米や大豆はフィチン酸が多く、
フィターゼが少ないので、
水につけてもフィチン酸は20%程度しかカットできなようです。
酸性のお湯(レモンやホエイの入った)に8時間程浸すとよいそうですが、
う〜ん、発酵っぽい味がしそう。
酸性水は面倒なので、私は玄米の時は大抵発芽させます。
夏なんて1日水につけておけば発芽します。
豆類は注意が必要です。最近は保存期間を長くするために、
発芽をさせないように特殊なスプレーを施してあります。
水に浸けても発芽しないものが多いのはこのためです。
オーガニックの豆はスプレーされていません。
私がこうした情報を知ったのは、
「Nourishing Traditions」
という本に出会ってから。
伝統的な食べ物の料理法には理由があるのです。
とても勉強になります。
英語の本ですがオススメです。
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